さて、前回に続き「フィレンツェの一人インフェルノツアー」の続編をお伝えしていきます。
前回は「ダンテの家」→「ダンテ教会(サンタ・マルゲリータ・デイ・チェルリ教会)」と移動しましたが、ついにダンテのデスマスクの手がかりとなる「天国の25」を解明し「サン・ジョヴァンニ礼拝堂」にたどり着きます。
約700年前から赤子の洗礼が行われてきたサン・ジョヴァンニ礼拝堂。
ダンテ・アリギエーリもここで洗礼を受けた一人です。
そこに一際目立つ黄金の門「天国の門」があります。
二十年以上かけてギベルティが完成させたとされるこの門には、旧約聖書の重要な場面が10枚のパネルに掘られています。
エデンの園、モーゼ、ソロモン王などなど、聖書の登場人物が描かれています。あまりの美しさにミケランジェロが「天国の門」と呼ぶようになったようです。
パネルの中で、一番人気のパネルが左側中央の「ヤコブとエサウ」のパネルのようです。美しさと共に、このパネルにだけギベルティの署名が入っているようです。
しかし、これはレプリカで現物は修復のためにドゥオーモ付属美術館で安全に保管しているとの事。
ラングドン教授のフィレンツェの一番のお気に入りでもある「サン・ジョヴァンニ礼拝堂」はドゥオーモ大聖堂の正面入り口の真向かいにある八角形の美しい建物です。
この八角形の意味ですが、キリスト教において八という数は「再生」と「再創造」を表します。
神が天と地を造った六日間と安息日の日、キリスト教徒たちが洗礼を通じて「再生」もしくは「再創造」される八日目を、目に見える形で表現しているものです。
ダンテはこの聖なる場所「洗礼堂」へ二度と戻る事を許されていませんでした。
どうしても上を向いてしまうほど美しく目を奪われてしまう礼拝堂。
天井にキリストを中心に右が地獄、左が天国の絵が描かれています。
ダンテの「神曲」の「地獄」にも繋がる絵ですね。
そして、洗礼盤。
ひっそりとたたずんでいました。
ここで、ついに「ダンテのデスマスク」を見付けます。
そしてデスマスクの裏面に記された次なる手がかりを見付け、ラングドン教授とシエナは水の都ヴェネツィアに向かいます。
という事でフィレンツェでの一人インフェルノツアーは今回の記事で終了です。
フィレンツェはダンテが生まれ育ち、恋い焦がれた女性ベアトリーチェとへの想いが詰まった街。
宗教と芸術が色濃く残る街。
人を魅了する歴史や建造物が凝縮されて残る街。
すごくオススメの世界遺産の街でした。
次回も、ラングドン教授シリーズの一人ツアーの記事を書きますのでお楽しみに。